真の音楽葬を執り行う条件音楽(生演奏)とお葬式の組み合わせという、無限の可能性がある音楽葬であっても、限られた時間の中で、セレモニーとして成立させなければなりません。基本的な音楽力を有するプロのセレモニー奏者と音楽葬の経験豊富な葬祭ディレクター、司会者(葬祭ディレクターが兼務することがあります)の個の力が求められます。また、それぞれの個の力は一体とならなければなりません。そこで初めて、真の音楽葬を執り行うことができるのです。18Apr2019音楽葬について
ニューオリンズ式ジャズ葬葬儀は悲しいもの。笑顔などもってのほか。 日本の葬送儀礼では、明るく見送るということはほとんどありませんでした。 ごく一部、キリスト教では神の御前(みまえ)に行けるということで、死は喜び、祝福されるべきものとされているくらいです。 しかし、アメリカには明るく見送る葬儀があるのです。ニューオーリンズを中心とする黒人の葬儀です。 辛く苦しい奴隷生活。死を以(も)ってようやくその苦しみから逃れられ、真に神に祝福される天国へと旅立てるのです。 これ以上の喜びがありましょうか。 葬儀では、ニューオーリンズの黒人の間から発生したジャズや、黒人の讃美歌、ゴスペルなどを歌ったり演奏したりし、最後は明るく賑やかに送り出すのです。 黒人に限ったことでは...23Feb2019
無音を生かす司会進行弦楽四重奏は「アンサンブルの編成として完璧」と言われています。 音楽葬は黙祷以外、常に音が流れているというのが、定番となっているスタイルです。 そのためには、音の強弱をコントロールできる楽器のシンセサイザーが必要となってきます。シーンの繋ぎや、お別れの言葉などの人が話す場面では、流れが途切れないように、シンセサイザーは音量をコントロールしながら場面にふさわしい演奏をすることができます。 しかし、物事にはすべて「例外」というものがあります。 弦楽四重奏による音楽葬は、タブーとされている「音の無い時間」をあえて作り、インパクトのある演出をすることができるのです。 「音が無い」=「音楽が無い」ということではありません。 無音も立...17Feb2019音楽葬の司会
「参列」と「列席」お葬式、お別れの会(偲ぶ会)の司会進行において「参列」と「列席」という2つの言葉を使い分けなければなりません。 その意味の違いとは。「参列」と「列席」の言葉は『使う立場によって』使い分けられます。 具体的には ・式に招待されて参加される立場にある人は「参列」 ・式を主催する立場にある人、ご家族、司会者、スタッフは「列席」 以上のように使い分けます。お葬式の司会進行においては「参列」お別れの会(偲ぶ会)においては「列席」司会進行の際には、上記のように使い分けることが多いのです。17Feb2019音楽葬の司会
シナリオの重要性音楽葬、お別れの会、偲ぶ会には式次第(プログラム)の他にシナリオが存在します。 シナリオは、司会者とセレモニースタッフ、奏者との間で共有されます。 場合によっては、主催者やご家族とも共有されます。 シナリオには、演奏を開始するタイミングや映像を流すタイミング等が事細かに記されています。 式次第(プログラム)にコンセプトとストーリーを加えたものがシナリオになります。式(会)のコンセプトだけでは不十分、そこにストーリーがなければなりません。 シナリオは、想いをカタチにしたものなのです。 16Feb2019プロデュース
音楽葬の司会者心得音楽葬の司会者には、覚悟が必要です。どのような覚悟でしょうか。通常であれば、葬儀司会者にはサポート役のセレモニーアテンダントがスタッフとして式進行の補助的役割をします。焼香の案内、挨拶時のマイク出し等を行ないます。仏式葬儀などであれば、セレモニーアテンダントも慣れているので安心です。音楽葬になると、仏式葬儀のようには行きません。その理由は、「音楽葬は感性が第一」となるからです。音楽葬担当者・司会者の感性で式が展開するからです。献花をご案内するタイミング、立ち居振る舞い等は仏式葬儀とは、異次元レベルで異なります。マニュアル化をしてしまうと、魂に届く音楽葬ではなくなってしまいます。音楽葬の司会者は、セレモニーアテンダントも兼務しなければ...19Feb2018音楽葬の司会
音楽葬の葬儀会場設営を考える葬儀会場の設営は通常であれば、葬祭スタッフと生花スタッフ主導で進められます。ここで言う通常とは、仏式葬儀などの宗教者司式の元に執り行われるお葬式のことです。宗教者のいない音楽葬においての葬儀会場の設営は、セレモニー奏者を主導に進められるのが好ましいのです。その理由としては、音楽葬は生演奏を中心に執り行われるからです。スピーカーの位置や角度も、ベストな音響効果を発揮できるように設置されます。生花の位置も、セレモニー奏者が最大のパフォーマンスを発揮できるように設置されます。どのような飾り方(設営)がベストであるのかを知っているのは、セレモニー奏者です。もちろん、お客さまの要望や全体的なバランスが根底となります。音楽葬の担当者(責任者)は...15Feb2018プロデュース
生演奏に託すという事音楽葬の司会進行において大切な事のひとつに「生演奏に託す」という事があります。お花にも「花言葉」があるように、ご家族の想いを曲に託すという事です。お別れの言葉後の献奏や喪主挨拶後の献奏に演奏される曲はその言葉を受けての曲でなければなりません。美辞麗句を語る必要などないのです。「生演奏に託す」という事が真の音楽葬なのです。04Oct2017音楽葬の司会
音楽葬の式次第音楽葬の基本的な式次第は下記の通りです。 【音楽葬 告別式曲目例】会葬者入場 G線上のアリア弔電・前奏 美しき夕べ開式の辞 黙祷 お別れの言葉 お話する方の年齢・性別にふさわしい曲献奏 カッチーニのアヴェ・マリア喪主挨拶 メモリアルスクリーン 故人にふさわしい曲献花または焼香 故人の歩んだ時...04Sep2017音楽葬について
カルテット(四重奏)での演奏カルテットというと、たいていの方は「いつも四人で演奏しているもの」と思われることでしょう。 それは正解でもあり、不正解でもあります。 鍵盤楽器(シンセサイザー)を含む編成ですと、シンセサイザー単体でメロディーとハーモニーを奏でることができますので、四人で演奏しなくても音楽は成り立ちます。それを利用して、編成を変化させながら演奏すると、とても良いものが出来上がります。 葬儀演奏は純粋に曲そのものを聴くコンサートとは違います。 その場の雰囲気や式の流れにふさわしい演奏をしなければなりません。 大人数で演奏することは確かに厚みや迫力がありますが、故人に想いを馳せる葬儀の場で、ずっとそればかりでは聴いていて疲れてしまいます。 心静かに悼む気...30Aug2017セレモニー奏者
空気を創る人あと数センチ、あと数ミリの差で周囲の空気は一変する。会場内の空気に「透明感」がない。祭壇の花の高さが原因だと感じた。2センチの誤差によるものです。細部にまでこだわらなければ空気がよどむのです。セレモニーの司会者は「空気を創る人」です。司会者の一言で周囲の空気を一変させる。会場内は水を打ったような静けさとなる。これからの葬送のひと時を心静かにお過ごしいただける「空気を創る」のがプロとしての司会者の仕事です。美辞麗句を並べることではありません。テクニックを駆使することでもありません。30Aug2017音楽葬の司会